NPO法人へのリサーチャー参画の可能性と公共的展望

Time slot: 11:10 - 11:30 

著者 西村歩(株式会社MIMIGURI/東京大学大学院)木原葵(認定NPO法人Cloud JAPAN)田中惇敏(認定NPO法人Cloud JAPAN/慶應義塾大学大学院)
発表者 西村歩
概要日本国内において、昨今は「リサーチャー」と呼ばれる職能が注目を集めている。「デザインリサーチャー」や「UXリサーチャー」と呼ばれるが、主に質的調査の方法論を用いて、サービス開発等における顧客課題の理解やインサイトの把握に努める職能である。Research conference2023のテーマは「SPREAD 広げる」である。このテーマは「リサーチの領域を広げる、取り組みを周囲に広げる、実践者同士のつながりを広げる」ことが意味されている。とりわけ今年登壇者の一人である認定NPO法人Cloud JAPANの田中惇敏は、『地域NPOの政策デザインにResearchを活用』という題目で、民間企業におけるサービス開発などの場面で先んじて用いられてきた「リサーチャー」の職能を、公共的課題の解決に取り組むNPOで利活用することの意義を自らの事例を基に議論していた。確かにこれまでデザインリサーチやUXリサーチはあくまで、サービス開発などでの適用が想定されていたが、公共的課題へのリサーチャーの職能を活用する方法について議論された研究は決して多くはない。そこで本発表においては、田中による当該発表を継承し、NPOという主体における「リサーチャー」のかかわり方、および「リサーチャー」の活躍可能性とはどのようなものかについて議論する。